公開日 2020年04月27日
更新日 2021年11月22日
フィリピン人の英語力が高いのはなぜ?
こんにちは。ホライゾンのムト-です。
ホライゾンには、日本人スタッフの他にフィリピン人の男性が働いています。ホライゾンに勤務して日が浅い私が驚いたのは、彼の英語力の高さです。その英語力はネイティブとほぼ変わりありません。
もちろん彼の母国語はタガログ語ですが、母国語と同じくらい英語力も高いのです。彼に限らず、フィリピン人の英語力は一般的に非常に高いです。今日はなぜ、フィリピン人の英語力が日本人とこれほどまでに違うのかというところにフィーチャーしてみたいと思います。
植民地としての歴史
まず大きな理由の一つに、フィリンピンの植民地としての歴史があります。簡単に羅列すると下記のようになります。
1571年 スペインが植民地化
1898年 アメリカの植民地化
1942年 日本が植民地化
1945年 アメリカが再び植民地化
1946年 独立
このように、フィリピンは、スペインとアメリカによる植民地支配時代が非常に長いのです。他国による侵略により多くの自由が奪われましが、同時に文化的な面でも大きな影響を残しました。私たち日本人にとっては、「マルチリンガルでいいなあ」と羨ましく思えますが、そこには長く苦しい歴史があることを忘れてはいけないですね。
詳しくは以下URL参照
フィリピンの公用語
フィリピンにはおよそ141の言語が存在するそうです。7,000を超える島々から成るフィリピンでは、言語が違いすぎるため、同じフィリピン人同士であっても理解できないということが問題でした。そのため、英語とタガログ語が共通語として使われるようになりました。
フィリピンでの英語教育
フィリピンでは、1974年に「2種言語教育法」が施行され、小学校から大学まで、国語と歴史の授業以外、すべて英語で行われるようになりました。日常生活は、タガログ語のため幼少期は英語が話せなくても、小学校に入学と同時に英語の授業がはじまるので、英語で発言する実践的な力が身につくのです。日本でも最近、小学校3年生からの英語教育義務化が進んでいますが、週に数回程度の授業とは比較になりませんね。
また、フィリピンでは、コールセンターBPO(ビジネス プロセス アウトソーシング)の業界に進む人々が非常に多いです。BPOとは、企業が事業の一部を外部の専門業者に委託する機関で、高い英語力を持つフィリピン人は、アメリカやイギリスなどのカスタマーセンターへの電話対応が可能なのです。フィリピンは、日本以上の学歴社会となっていますが、BPO業界に就職するに関しては、英語が流暢に話せればそれほど高い学歴は必要ないとされていないようです。また、フィリピンで看護師の経験を積み、海外へ出稼ぎに行くというケースも非常に多く、家族の生活を援助するために海外から仕送りをするというのが一般的です。そのため、ここでも高い英語力が求められます。
このように、フィリピン人の英語力が高い背景には、歴史や教育といった様々な異なる文化の違いがあります。日本は、グローバル化という言葉だけが先行していて、海外と渡り歩いていけるだけの英語力がまだまだ足りていません。英語が話せなくても、一流大学に進んだり、一流企業に就職することができてしまうので、英語に対する国民の意識が低くなってしまうのだと思います。フィリピンのように英語を公用化できれば一番良いのですが、現実的ではありませんね。現段階では、個人のニーズやモチベーションだけが、英語力向上の秘訣です。私も、久しぶりの英語の活用に毎日戸惑っていますが、この機会に国際社会に通用する英語力を磨きたいと思います。
それではまた次回まで~。